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店舗内装の知識

コンクリートの内装は店舗向き?メリット・デメリットを比較

鉄筋コンクリート造の内装は、躯体をそのまま見せることで化粧材を使わない「打ち放し仕上げ」にすることが多いようです。

これは店舗空間には非常に相性が良いとされています。

ここでは、そのメリットやデメリットを検討していきます。

コンクリート内装のメリット・デメリット

コンクリート打ち放し仕上げのメリットには、次のような点が挙げられます。

 

1つ目は、ストイックなイメージの空間が商品を引き立てる点です。

コンクリート打ち放し仕上げは、場合によってはまだ工事中ではないかと思われるほどシンプルな内装となります。

近代以降のアート表現は、装飾を廃したミニマリズムが主な流れになっています。

これは、絵画・彫刻・建築などを含むあらゆる分野に共通する傾向です。

そのようなトレンドに乗った商品を扱っている店舗であれば、コンクリート打ち放しの質感は、商品の背景として最適です。

vakelが手掛けたコンクリート内装「MOTHER&CO」の事例はコチラ

2つ目は、表面の仕上げ材が不要な分、利用できる空間の面積が広がる点です。

これは、部屋の面積が広いほど効いてきます。

例えば、壁面の内法延長が40メートルの場合、コンクリート打ち放しにすることで不要になる仕上げ厚さが10センチとすると、4平方メートルの余裕が生まれるのです。

これは畳敷きであれば2畳を超える広さです。

コストパフォマンスが優先される店舗面積では大きな差が生まれます。

3つ目は、防音性・耐火性・耐震性などの建築的な性能が優れている点です。

鉄筋コンクリート造は遮音性に優れます。

都心で交通量が多く、騒音に満ちたような環境であっても、一旦室内に入れば静寂を感じられる空間となるのです。

顧客の滞留時間が長く、落ち着いた雰囲気が求められる美容系店舗などでは、特に大きな利点となります。

また、耐火性や耐震性について、鉄筋コンクリート造はさまざまな建築構造の中で、最もコストパフォマンスの良い構造です。

火災や地震が発生しても、建物の倒壊をそれほど気にすることなく、最も安いコストで安全な避難を可能にします。

それは、長い目で見て顧客の信頼感向上につながることでしょう。

 

次に、デメリットについても確認しましょう。

 

1つ目は、厳しい室内環境になる可能性がある点です。

温帯モンスーン気候の日本の環境では、断熱性能は居住性に大きく影響する要因です。

その断熱性能は壁の外側か内側に配置する断熱材によって高めるのが一般的です。

ところが、ストイックな美観を追求して、躯体の内外を打ち放し仕上げにしてしまうと、壁面に断熱材を入れることが基本的にできません。

こうなると「夏は熱く、冬は寒い」空間となってしまいます。

もちろん、空調でカバーすることも出来るのですが、その分の光熱費が発生するので注意が必要です。

内装を打ち放し仕上げにしたい場合は、イニシャルコストはかかりますが外断熱を検討してみてください。

2つ目は、業種によっては打ち放しの質感が合わないものもあります。

例えば飲食店の場合、あまりにもストイックな空間イメージがそぐわないものもあるでしょう。

その場合は、打ち放しの壁面に暖色系のタピスリーを掛けるとよいでしょう。

これは、中世ヨーロッパの石造城郭のインテリアで使われていた手法で、見た目だけではなく断熱効果も期待できるので一石二鳥といえます。

コンクリート内装で快適に過ごすための注意点

内壁面の仕上げをコンクリート打ち放しにする場合は、以下の点に注意しましょう。

1つ目は、外断熱工法の採用です。

これは、鉄筋コンクリート造の「外壁」に断熱材を配置して、躯体の蓄熱効果を高めるものです。

外断熱工法には「中性化」など鉄筋コンクリート躯体の劣化を予防する効果もあり、建物の長寿命化にも貢献します。

2つ目は、結露対策です。

結露防止には、窓に注目します。

ペアガラスや二重サッシに交換して窓の断熱性能を上げます。

コンクリートの内装は店舗向き?メリット・デメリットを比較

3つ目のカビについては、専用の塗料による塗膜を形成する方法が一般的です。

また、コンクリートは水和反応で固化する材料なので、水分を含んでいます。

新築の場合などは、特に換気にも注意して、可能であれば24時間換気を行ってください。

4つ目の汚れについては、インテリアとしてのコンクリート打ち放し仕上げでは、風雨にさらされることはないのでそれほど気にする必要はありません。

カビ対策の塗膜が施工してあれば十分でしょう。

5つ目の解体費用は、木造や鉄骨造と比べると材料の再利用が難しく、解体するとほとんど産業廃棄物になるため処理コストがかさみます。

ただし、店舗の場合は、相応の売上があり、適切に減価償却を計上していれば、それほど問題はないでしょう。

コンクリート内装のメンテナンス

コンクリート打ち放しの内装のメンテナンスについては、塗装によって表面を保護することが基本です。

クリア系で打ち放しの質感に影響が少ない塗料を使用すれば、耐久性や耐カビ性を向上させることができます。

同時に、高温多湿の梅雨などには特に換気に注意します。

デザイン面から換気口が小さく、十分な換気能力が期待できない場合は、高性能の除湿機を稼働させて対応しましょう。

コンクリート内装はどんな店舗に向いている?

打ち放しコンクリートの内装は、ほとんどの業態の店舗に対応できます。

基本はストイックなイメージですが、家具や小物で柔らかさを表現することも可能だからです。

例えば、カフェやバーなどクールな雰囲気を出すには、打ち放しの壁面を活かして、家具などもミニマルなデザインなものを選びましょう。

木質系よりは金属系でメタリックな質感のものをおすすめします。

また、物品販売の店舗では、商品のテイストに什器のテイストを合わせます。

ナチュラル系の商品を扱うのであれば、無塗装や木目が感じられる家具や什器を配置するのです。

ワインなど高級輸入食材を販売する店舗などでは、導入する保冷設備やラックなどを落ち着いたデザインのものにすることで、商品自体の訴求力を高めるようにします。

打ち放しコンクリートの色と質感は背景として最適で、このような商品とそれを引き立たせる什器や家具の存在を、展示されたオブジェのように見せる効果があるのです。

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