金額だけで選んではいけない。正しい内装業者の選び方について
自分の夢を追い求め、事業を成功へと導こうとされている方にとって、自分の城である店舗をどういった空間に仕上げるかは非常に重要なプロセスであると思います。
そこで今回はvakelが空間デザインの知識と裏情報を織り交ぜつつ、理想の内装&施工業者と出会える方法について、同業者としての私達の意見をお伝えしたいと思います。
内装業者選びで覚えておきたい「10」のルール
①業者が集まるポータルサイトや紹介サイトは利用しない
内装業者のポータルサイトなどが世の中には多く存在しています。
これらのポータルサイトは出店手数料ビジネスにおいてなりたっており、契約、掲載させてもらっている業者は、自分のお店を紹介してもらうために広告出稿費を払っています。
例えば「一件紹介したら○円の手数料が発生」「多く手数料を払う業者を優先的に紹介」など。
これはお客様のためにその内装業者を紹介しているのではなく、自分の実入りが一番よい業者を紹介していることになります。
またこのシステムですと、紹介業者へのマージン(手数料)や広告費をお客様に負担させる値段設定になるため、お客様にとってはダイレクトにその内装業者に発注するよりも割高になることが多いです。
②広告ばかりが目立つ業者は利用しない
「インターネットで検索したらよく広告が出てくるから有名&良い内装業者なんだろう」という考え方は間違っているかもしれません。
広告費の負担は施工費に反映されるため、結果的には「広告費を沢山払っている会社は、そのコストをお客様の内装費用に上乗せする」と考えていただいてよいでしょう。
よって広告ばかりが目立つ内装業者は通常の施工費やデザイン費に比べて割高であることが多いです。
③内装業者とは直契約が基本
流通業の基本ですが、ダイレクトなお取引が最もコストを下げる手段の一つです。
間に様々な業者が入ると、少しずつ中抜きされてしまい、結果的には費用負担が増えます。
これは内装デザイン・施工にかぎらず、どんなビジネスにも当てはまると言えるでしょう。
④デザインのテイストやセンスの感覚が合う会社を選ぶこと
皆さんはお洋服を買う時にどうやってお店を選ぶでしょうか?
もちろんただ安いから場合もありますが、金額だけではそのお洋服のブランドやお店を選ばないのではないでしょうか。
「自分の好きなテイストだから」「デザインが好みだから」「サイズやシルエットがいいから」という感覚的な判断があると思います。
これは空間デザインの業者選びにおいても同様です。
和のテイストが得意な会社、シンプルモダンなデザインが得意な会社、アメリカ東海岸風なインダストリアルなデザインが得意な会社、西海岸風な温かみのあるデザインが得意な会社など様々です。
もちろんバランス良くどのデザインも作れる会社もあります。
是非自分のテイストにあった空間デザイン会社を選んで下さい。
⑤信頼できる人から紹介してもらうのはOKだけど、無理して契約する必要はない
冒頭にも述べたとおり、内装は数百万円のお金がかかる重要なプロセスです。
そのプロセスを一緒に創りあげてくれる内装業者選びは、自分が信頼している人から紹介してもらうのはよいことだと思います。
ただし時には紹介してもらったのはよいものの、自分の思い描いていたイメージとは違うこともあります。
そんな時は無理して契約する必要はありません。
⑥居抜きをやたら勧めてくる業者には疑問を持とう
居抜き物件は全体的なコストが安く抑えられることから、人気があり独立開業を目指す方にとっては非常にありがたい物件です。
ただし、居抜き物件=何らかの理由で退去した物件なのです。
また居抜き物件は後々トラブルになる事例もあります。
一度居抜き物件のデメリットを認識しておきましょう。
⑦値下げ交渉が上手く行き過ぎる業者は危ない
「お金が無いから安くしてって言ったら、凄い安くなったよ」など、交渉術的な噂をしばしば聞きますが、そこで安くなるのであれば、本来もっと安くできたのに値段を高めにつけていたとしか思えません。
もしくは、お客様の見えない部分で何かコストを下げようとしています。
それが企業努力であればよいですが、物件の建物の施工への安全性やデザイン等に大きく影響がある場合は放ってはおけません。
なお、よい内装業者は値下げ交渉の際には「どこを調整するから価格を落とせます」ということをきちんと説明してくれて、資材を安いものに変える際も、全体のイメージに影響が出ないように工夫してくれます。
そこには信頼とセンスが重要です。
⑧提案型の業者を選ぼう
最初にお客様がデザインのイメージや理想の写真を持って行くと、それと全く同じもの or 似たものを提案してくる業者がいます。
建物の性質や来店者の性質、導線などを考えると世の中に全く同じデザインの内装というのは存在しません。
「お客様のイメージですと、こういう問題点がありますので、こういうふうなデザインや導線にしてはいかがですか?」など、どんどんあなたの店舗を魅力的にしてくれる提案を出してくれる業者を選びましょう。
⑨同じ目線で一緒に創りあげてくれる内装業者を選ぼう
逆の立場になって考えてみます。
もし私たちvakelが内装を頼む側だとすると、ただ仕事として受けるのではなく、親身になって自分のお店を作るかのように内装工事を手がけてほしいものです。
どうやったら多くのお客様に満足してもらえるか、共に悩み考えてくれる業者を選ぶことが重要です。
⑩デザインから施工までをワンストップでやってくれる業者を選ぼう
デザインと施工が別の場合は工期やコストで様々なデメリットが生じます。
デザインにこだわるならデザイン会社と施工会社は別がよい、という噂もよくありますが、これも全くの誤認です。
むしろワンストップでデザインから施工まで行ったほうがメリットは多いのです。
例えば現場に入った際に、本来のデザインの変更が必要になった場合、再度デザイン会社に依頼して作り直しなどになるとコストも増えるし、工期も伸びてしまい、施工のスピードが大幅に落ちます。
デザインが良いか悪いかについては、施工とデザインが分かれているかどうかよりは、一重に業者のセンスで決まります。
内装業者選びは慎重に
独立開業において、空間デザインと施工を誰に任せるかというのは非常に重きをおくべき時です。
是非色々な内装業者と実際に会って話をしてから決めるようにしてください。