【退去時のこと】店舗内装の現状回復にかかる解体工事費用の相場は?
これから美容室や飲食店などの店舗を開業なさる方にとっては「そんなことまだ考えたくない!」「おせっかいな」と思われるかもしれませんが、一応開業にあたって知っておいたほうがあります。
それは退去時のこと。優秀な経営者ほど入り口と出口をしっかり考えると言われますが、今回は「出口」に関するコラムです。
退去時の費用についても考えておくことが必要です。
スケルトン内装工事の解体作業
退去時に店舗の内装をどういう状態で引き渡すのかは、賃貸借契約に依存しています。
例えば居抜き物件の場合は、契約時点の内装まで戻せばよいということもあれば、スケルトンの状態で引き渡し、などそれぞれの物件と契約によって、どこまで対応すればよいのか異なってきます。
そんな解体工事に、どのくらいの費用がかかるのか一度相場をまとめておきたいと思います。
解体工事の費用相場
解体工事の相場感は大きく分けて2つに分類することができます。
飲食店などの設備が多いお店の場合と、物販やエステ、オフィスなどの店内が複雑な造作物が無い場合です。
また解体工事でお金がかかるのは解体の作業だけではなく、廃棄処分にもお金がかかるということもご注意を。
■ 飲食店・カフェ
・解体工事費用:坪単価 9000円~15000円
・廃棄処分費用:坪単価 10000円~15000円
なおカフェの場合はキッチン周りの設備やダクトの入り組み加減によって上記より若干安くなります。
一方で焼肉店のようなダクトが複雑に入り組む場合は高額になります。
■ 物販店・エステサロン・美容室など
・解体工事費用:坪単価 8000円~13000円
・廃棄処分費用:坪単価 8000円~14000円
物販の場合は安く、エステサロンや美容室などは若干高額になります。
解体費用が増える、または抑えられるポイント
実は解体費用が増えたり抑えられたりするにはいくつかのポイントがあります。
借りる時は家賃も安くていい物件だと思ったけど、出る時に予想以上にお金がかかったなどとならないように、これも物件のメリット&デメリットとして事前にチェックしておきましょう。
解体工事費用はここで変わる
・間仕切りや造作物が少ないと工事費も安くなる。
・無煙ロースターや排気ダクトが多く複雑な店舗は高くなる。
・排気ダクトが多く複雑な店舗は高くなる。
・個室や小上がりがあるお店は、高くなる。
・アスベストが発生する場合は、別途費用がかかる。
・資材搬出の際に、エレベーターがなく搬出経路が複雑な場合や、搬出車用の駐車スペースがない現場は、別途搬出作業費がかかる。
解体業者に任せっきりにしないこと
ついつい面倒くさくて、解体業者にお任せにしてしまう方もいますが、大型の器具や什器については、業者で処分すると思わぬ高額になることがあります。
こちらについては自力である程度コストを下げることができます。
例えば、粗大ごみ扱いで自分で処理したりするだけでも解体工事費用を最大半分に抑えることもできます。
什器等は捨てるではなく「売る」という手もある
実は多くの解体業者はただ壊して捨てるだけではなく、買い取りもやっている場合があります。
いわばリサイクルです。ただし、捨てる前提で解体業者に買い取り査定をまわすと安く買い叩かれることもしばしば。
もし店舗を引き払うことが決まったら、自分でいくつかの中古器具、什器屋に買い取りの査定を回しておくことです。
借りる時はもちろんですが、出る時のこともイメージしておくことはとても重要ですね。