店舗内装のプロが教える!「美容室に最適な物件」の3つのチェックポイントとは?
美容室の開業をすることが決まったら、物件探しがスタートです。事業がうまくいくかどうかは店舗となる物件が何よりも重要であり、またチェックすべきポイントがあります。
ついつい外装や広さなどに目が行ってしまいがちですが、実は重要なのは建物の機能や設備。一旦借りてしまうとなかなか変更が難しいものですから、建物の設備チェックは抜かりなく行いましょう!
重要な3つの「設備チェック項目」を知ろう
美容室開業ための物件選びは、どんなところをチェックすればよいのでしょうか?
店舗内装の装飾部分は一旦割愛すると、皆さんが見るべき箇所は、水道(水回り)、ガス、電気の3つ と言えます。
※なお、これらは素人目では正確ではないことも多いため、必ず美容室物件を契約する前に、最終的に私たち店舗内装業者の意見を受けて下さい。それでは早速チェックする部分の詳細をみていきます。
水道(水回り)の給排水管をチェックしよう
美容室は、シャンプー等で水を大量に使う業種。よって水回りは重要なチェックポイントの一つです。
■ 引き込み水道管の口径は?13mmは要注意。
上水道の店舗全体の水道効率は、引込水道管の口径で決まります。美容室の場合なら、20mm以上(25mmあればかなり安心)は欲しいところ。これが古い物件になると13mmの物件もあるので、注意が必要です。
美容室でシャンプーを使わないということは有りえませんから、水量が少ないのは大変な問題になります。同時に使用するシャンプー台の台数の計算をして、どのくらいの水量を確保する必要があるのか調べる必要があります。
シャンプー台の台数などを相互確認し、要望が叶うかどうかを店舗・内装業者立会いのもとで水道局に確認するのが最も安心です。
■ 水圧については2.0気圧は欲しい
また物件のテナントの階数によって水圧は変わることをご存知ですか?階数の高い場所は水圧が不足しがちです。
店舗である以上、あまり高層階になることはないでしょうが、それでも美容室の場合は水道はかなり運営の鍵になることを覚えておいて下さい。
水圧は最低2.0気圧あるのが望ましいところ。加圧ポンプの導入という手もありますが、さらに工事費がかかりますので、水圧について事前に必ず確認しましょう。
■ 排水設備もチェック
また、排水管のつまり等のトラブルも避けたいものです。
理想的には排水管の経口は、最低でも60mm~75mm以上があれば安心でしょう。このあたりも同時排水する量がポイントとなっており、シャンプー台の数によって異なりますので、自分が設置したい台数は、借りたい物件の給排水管で足りるのかどうか考えなければいけません。
そういった意味では、美容室に強い店舗内装業者はこのあたり知識があるので安心です。
ガスをチェック。都市ガス?それともプロパンガス?
ガスの場合は都市ガス or プロパンガスのどちらかを調べるのが先決です。これは直ぐにわかるので、事前に内見前にでも不動産屋に問い合わせておくことも可能です。
都市ガスは配管を通して供給されるのですが、プロパンガスの場合はガスボンベの設置が必要となります。
ちなみにプロパンガスのほうが基本料、従量料金も高く設定されることが多く、割高です。(地域差があります)
■ ガス別のチェックポイント
都市ガスの場合は、美容室を開業しても大丈夫な容量が供給可能かをチェックします。これまでに同物件で美容室の実績があれば安心ですが、その際はシャンプー台の数などの条件比較を忘れないようにしてください。
プロパンガスの場合はボンベの設置場所を考える必要があります。プロパンガスはガスの配給会社の料金設定なども考慮し、契約時には美容室の規模に合った過不足の無い最適な契約を行いましょう。
ちなみにプロパンガスの場合はガスの配給会社によって料金が大きく異なるため、数社から見積もりを取るのが基本です。ネットでガス乗り換えなど検索すると比較業者が見つかりますのでやってみてください。
電気の総容量をチェックしよう
水道と同様に美容室はドライヤー、パーマ用機器、照明など、たくさんの電気を使用する業種です。そのため物件を探す際には必要な電気量を総量で計測する必要があります。
この計算を間違えると、美容室の営業時にブレーカーが落ちてしまう等の大変なトラブルにつながりますので、物件検討時には大変注意が必要なポイントの一つ。
電気を使用するものには、施術で使用する機器のほかに、エアコン等の空調や照明などの電気も考慮しなくてはいけません。例えばドライヤーは1台あたり、15アンペアが必要になります。
仮に美容室のセット面の設置台数が3台の場合、だいたい50アンペアほどは必要になると考えられます。これにエアコンや電球、パーマ用の遠赤外線加熱器なども考慮すると100アンペアほどは必要かなと計算できます。
自分の美容室でどのくらいの電気量が必要かは、必ず、計算しておきましょう。
電気量が不足する場合、工事が必要となりさらにコストアップになる恐れがあるので、電気容量も確認するようにしましょう。
不明点は店舗内装業者に相談すること
美容室は設備コストが大量にかかる事業です。一般的な店舗と違い、水道、ガス、電気を大量に使用するため、これらを計画的に配給する必要があります。
そういった意味では不動産屋会社の方にはわからないことも多く、なんとなく大丈夫だろうと借りてしまい痛い目を見るのはとても残念なことです。
また、何か一つ条件を満たせない場合、実は解決できる手段もあるものです。そういったアイデアが出せるのも私たちのようなプロの腕の見せどころ。是非一度ご相談くださいませ。